自動車保険改訂
4月1日から始まる新年度は、自動車保険の仕組みが大幅に変わる。

すでに多くのドライバーには、損害保険会社から説明があったはずだが、「知らなかった」と後悔しないためにも、もう一度自身の状況を再点検する必要があるだろう。

    自賠責保険料が大幅アップ

    まず最初に変更されるのが、誰もが加入を義務付けられている自動車損害賠償責任(自賠責)保険の保険料だ。自賠責保険の収支悪化に歯止めをかけることが理由で、4月1日以降に始まる契約について、自賠責の保険料は全車種平均で13.5%の引き上げとなる。値上げは2011年4月の平均11.7%に続くもので、大幅な値下げが実施された08年4月以前の保険料水準に戻る。
    自賠責保険の値上げについては、以下の記事を参考にして頂きたい。 
    自賠責保険料、平均13.5%引き上げ 4月から負担増

    続いて10月には、大手各社など多くの損保会社の自動車保険(任意保険)が、「新等級制度」に基づく保険料の仕組みに切り替わる。その際、9月末までに事故を起こして保険金を請求したドライバーの保険料は、10月1日以降、従来よりも大幅にアップする。

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    右表からわかるように、たとえば20等級のドライバーが12年10月1日~13年9月30日の契約期間に事故を起こした場合、1年後の13年10月1日~14年9月30日には3等級下の17等級にダウンする。その際、保険料は従来と比べて2万5680円もアップする(当初の年間保険料が5万円の場合)。3年間の累積では従来と比べて7万7030円も保険料は割高になる。

    一方、3年間にわたって無事故を続けた場合には、保険料は3万0130円ほど従来よりも割安になる(表参照)。年間に事故を起こすドライバーは10人に1人程度なので、多くの人は新等級制度によって保険料引き下げの恩恵を受ける。

    また、新等級制度に際して、「事故有り係数」「無事故係数」も新たに導入される。

    事故を起こしたドライバーには新たに設けられた「事故有り係数」が適用される。たとえば、同じ8等級でも、事故を起こした結果として8等級にランクダウンした場合の割引率が21%であるのに対して、無事故によって8等級にランクアップした場合の割引率は、「無事故係数」の適用によって40%となる。

    従来、事故の有無にかかわらず、8等級の場合には割引率が28%だったことと比べて、リスク実態(保険金の支払い実績)に応じて大きくメリハリがつけられることになる。事故有り係数は3年にわたって適用されるため、事故を起こした場合の3年間での保険料負担は従来と比べてもかなりの金額になる点にも注意が必要だ。
    ※すでに改訂済みの自動車保険も


    1等級ダウン事故も導入

     「1等級ダウン事故」の仕組みも新たに設けられる。従来、盗難やいたずら、落下物との衝突などの事故は、「等級据え置き事故」として前年の契約の等級が維持されてきた。それが10月1日からは「1等級ダウン事故」となる(ただし、「事故有り係数」の適用は1年間)。盗難やいたずらなどは本人の責任とは言えないものの、リスク実態と比べて保険料負担が少なすぎたことが新たな仕組み導入の理由だ。

    自動車保険(任意保険)の制度改正での、もう一つの大きな柱が「記名被保険者年齢別料率区分」の導入だ(表参照)。すでに大手5社のうち4社が導入済みで、大手では最後発の日本興亜損害保険が4月1日の契約から新たに導入する。

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    これは、契約したクルマを主に使用する人(記名被保険
    者)の年齢別のリスク実態を保険料に反映させることを狙いとしたものだ。従来は運転者の年齢に応じて大ぐくりの5区分しかなかったが、4区分に簡素化したうえで記名被保険者の年齢によって保険料が異なる仕組みにした。

    これら「新等級制度」「記名被保険者年齢別料率区分」の導入は、損保各社が保険料改定の際に目安とする「参考純率」を、「損害保険料率算出機構」が決める際に新たな仕組みとして用いたことがきっかけとなった。その点では業界標準だ。

    制度改革と別に値上げも

    それとは別に、各損保会社は自動車保険の収支改善策として、保険料の値上げにも相次いで踏み切ってきた。08年度以降の大手5社(東京海上日動火災保険、三井住友海上火災保険、あいおいニッセイ同和損害保険、損害保険ジャパン、日本興亜損害保険)の保険料引き上げ幅は、5~7%程度に達している。これらは制度改定の時期に合わせて実施される場合や、独自サービスの導入と合わせて実施される場合があるが、詳しい内容はオープンにされていないため気づきにくい。

    最近では、東京海上日動火災が12年1月、三井住友海上とあいおいニッセイ同和が12年10月にそれぞれ値上げを実施。損保ジャパンと日本興亜損保はこの4月から保険料を引き上げる。両社は値上げの一方で商品やサービスの向上も実施する。

    もっとも、自動車保険改定の内容をきちんと理解しているドライバーは決して多いとは言えないだろう。特に新等級制度導入後は、小さな事故なのに保険金を請求した場合、後に保険料の大幅アップの形でかえって割高につく可能性がある。その場合は、保険金を請求せずに、自費で修理したほうがトクになるケースもある。

    そうした損得の目安を計算するための保険料概算ソフトを各保険会社は開発しており、代理店に問い合わせれば、わかるようになっている。また、損保ジャパンがドライバー向けに作成した「よく分かる等級制度のお話」と題したパンフレットも新制度を理解するうえで参考になる。

    事故を起こさない努力が必要

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    事故を防ぐためのスマートフォンを用いた無料のアプリケーションも、「Safety Sight」(損保ジャパンと日本興亜損保)、「サポNAVI」(あいおいニッセイ同和損保)、「スマ保」(三井住友海上火災)などの名称で各社が導入している。

    かつて損保会社にとってドル箱だった自動車保険は、高齢者ドライバーの増加や事故率の上昇などで「赤字商品」に陥っている。そうした事情が制度改革および値上げの背景にあるだけに、今後もさらに値上げが行われる可能性がある。月並みな表現ではあるが、今まで以上に安全運転を心がけ、事故を起こさないことが、保険料アップから身を守るための最善の策になる。

    ※さらに詳しい自動車保険改訂の記事は以下からも。
    「自動車保険制度」改定で【大幅値上げ】・・・【13年10月】から
    ※みんなが選んでいる
    自動車保険ランキングは、こちらから。 


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